S.L.A.C.K（5lack) / 「Hot Cake」とは
「Hot Cake」は
ラッパー・トラックメイカーである
S.L.A.C.K（現：5lack)さんの初期代表作です
S.L.A.C.K（5lack)
5lackさんといえばSICK TEAM、PSG
のメンバーとしても活躍されており
ラッパーのPUNNPEEさんの実弟として
認知されている方もいるのではないでしょうか
5lackさんがヒップホップシーンに与えた
影響は大きく、日本語ラップクラシック世代から派生したお洒落ラップの分岐点を作った
人物と言っても過言ではないでしょう
独特のゆったりとしたフロウから放たれる
芸術的なリリックは唯一無二で
それでありながら、しっかりとライムする
卓越したラップスキルを持ち合わせた
日本屈指のラッパーです
「Hot Cake」
5lackファンの間では未だ
根強い人気を誇る本楽曲は
S.L.A.C.K.名義時代の３rdフルアルバム
『My Space』
(DOG EAR RECORDS/2009年2月18日)
の10曲目に収録されています
本楽曲のテーマが5lackさんを含めた
PSGでは一種キーワードとなっている
「適当」
について歌われており、聴く者の肩の
力をふんわり抜いてくれるチルソングとなっています
当時ビートメイカーとしても
活動していたISSUGIが16FLIP名義
でビート提供しており、最大の特徴は
The Spinnersの
「Could It Be I’m Falling In Love」
のイントロ部がサンプリングされ
ループ使用されている点で、
一度聞くと暖かいサウンドが耳から離れない仕掛けとなっています
「The Spinners」 アメリカ合衆国デトロイト出身ヴォーカル・グループ それまでのソウル、R&Bを さらに洗練された 都会的雰囲気のサウンドが特徴の フィラデルフィア・ソウルの代表的グループ サンプリングネタの 「Could It Be I’m Falling In Love」はアルバム「Spinners」の １０曲目に収録されており 偶然にも「Hot Cake」と同曲順となっている
このキャッチーで暖かなビートと
相乗効果を生み、楽曲レベルを押し上げて
いるのが5lackさんの天才的なリリックですが
個人的なポイントをいくつか一部抜粋して紹介します
あの日coolに穿き込んだdenim pantsは もう部屋には見当たらないな あの日coolに履き込んだTimber bootsも 部屋には見当たらないな after clubは友達と対談 after clubでお前と焚いた あの日coolだったMC達は 今じゃどのclubでも見当たらないな topixは昨夜のladyに決まりだろ ペンと紙 持ってまたrhymin’ 直帰 直行 アルコールで酔う 真面目だね君 皮肉の言葉でも上がればいいのかな
こちら冒頭のバーズなんですが
「あの日」や「昨夜」といった
過去表現を多用することでリリックの情景がすっと頭に入ってきます
また黄色い部分は5lackさんの特徴的な伸ばし表現で
「酔う」→「YO」
「いいのかな」→「いいのかnah」
と日本語でありながら洋楽のような
音遊びがさらっと入っています
センスぅ…
なんて適当にさ 話してる夕方が透き通ってさ なんて適当にさ 話してる奴が大好きでさ なんて適当にさ 適当って言葉が大好きでさ 僕はblue 君はyellow 吐き出す雰囲気はいい感じだ 僕はblue 君はyellow 飲み込む雰囲気でfreeになってさ ↓２番 俺のいいとことお前のいいとこを 足して2で割りゃ最高 最高だと思うよ
先ほども紹介しましたが
とにかく5lackさんは視覚的表現を
言語化することに長けてます
特にこの黄色線のリリックですが
僕はblue:悲観的思考
君はyellow：楽観思考
すぐにイメージできるような仕掛けになっています。
しかも、この２色はカラーサークル上もほぼ対の関係になっており
「真逆の俺とお前」の立ち位置が超的確に表現されてますね
そのアンサーが２番の「足して2で割りゃ最高 最高だと思うよ」
で回収されてます
構成がえぐすぎます！！
控えめに言っても最高最高だと思うよ…✨
これも未来じゃ小さな話 yeah..
時間はslowでも止まんない
あれ以来は失態は無いなんてね
そう去ったろう？
昨日もきっとそう uh ah
フック部分もちょっとだけ
話させてください！！
ここ、僕の人生のバイブルにしちゃってるくらいいい歌詞で
失敗や、他人に迷惑かけちゃったことだって何十年もたった未来では小さな話だろ？
と5lackさんは語りかけてくれてるんじゃないかな
と勝手に思っています
社会人やってる僕含め共感してしまう人は多いのではないでしょうか？
